花粉症なんでもQ&A > 花粉のこと > スギ花粉を減らす活動について

花粉症は人間の経済活動による自然破壊のしっぺ返し

繰り返しになりますが、なぜこんなに花粉症(スギ・ヒノキ)に日本人が苦しめられるようになったのかというと、 戦後、木材資源の確保のために大量にスギやヒノキの植林が行われたからです。それも異常なレベルで。

木材資源として、その後、スギやヒノキが建築資材や木炭や薪としてガンガン利用されていればよかったんですが、 質のいい海外の輸入木材、電気、ガス、石油の登場という燃料革命もあってもスギ・ヒノキの需要がなくなってしまったんですね。

そして利用価値がなくなってしまったスギやヒノキが花粉だけをばら撒く存在として取り残されているわけなんですね。

スギやヒノキからしてみたら植物にとって当たり前の生殖活動をしているだけなんですが、たまたまスギやヒノキの場合、

・200キロ先まで風にのって飛散してしまうこと
・1本のスギやヒノキから大量に花粉が作られてしまうこと
・人体に取り込まれると大量に抗体がつくられてしまうこと

という条件を兼ね備えていたため、今や悪者になっています。

ちなみに世界的にみると、日本のスギ花粉による花粉症は 世界三大花粉症の1つだそうです。残り2つはヨーロッパのイネ科牧草,北アメリカのブタクサ(キク科)による花粉症があります。

こちらの2つもおそらく肉を食べるために人間が牧畜用に増やしたものではないかと思います。 結局、全部人間が自分たちの都合にあわせて自然のバランスを崩してしまった、しっぺ返しが花粉症の原因になっているというわけです。

なぜ、多すぎるスギ林を放置しておくのか?

木材資源としての利用価値は無くなったといっても今こうして多くの人が花粉症に苦しんでいるわけだし、スギ林が多いことが根本的な花粉症の原因なんだから 国や自治体が責任もってスギやヒノキを減らしてくれよ!というお怒りの方もいると思います。

その気持ち、痛いほどよくわかります。

実は実際にスギ花粉を減らそうという活動は国や自治体が今まさに取り組んでいるところなんです。具体的に何をしているのかというと、 スギ林の伐採と花粉の少ないスギの植林です。ただ、そのための活動資金には困っているみたいです。

ありあまっている国内のスギやヒノキを家具や家づくりに使えばいいじゃないかと思う人もいると思うんですが、 木材としての価値が国産のスギやヒノキには全然ないみたいなんですね。

ようするに国産のスギやヒノキは伐採したところで使いみちがないので、 伐採したところで赤字ですから林業として成り立つわけがなく、誰もやる人がいないというのが現状なんです。

国産のスギやヒノキを使って、儲かる事業を作り出すか、日本人が一致団結して家づくりは国産のスギやヒノキにかぎるなんてことをいいだしたら おそらく短期間のうちに花粉の問題はクリアできると思います。

というのも、スギ林は適切な手入れを行い、建材として適正な大きさで伐採すれば、ほとんど花粉を飛ばすことはないからです。 (※樹齢30年を超えたスギからしか花粉は放出されないので。)

ただ、今のところ、スギやヒノキの伐採は、貧乏くじを引くようなものなので誰もやりたがりません。なので、寄付を募ってホソボソとやっている感じなんです。

国や自治体は今一生懸命、国産材の普及と促進を推し進めています。スギ花粉を減らすための活動は各自治体も行っていますし、 私たちとしては、その活動を応援することもできます。一番いいのは国産材をもっと使うように日本人全体の意識を変えることなんですけどね。

今はスギが全盛期ですが、この先、ヒノキが全盛期を迎えるので、花粉症の人は今後も辛い状況が続きますし、花粉症の患者数はさらに増えるでしょう。 国内の林業を活性化して、林業を立ち直らせないかぎりは、花粉症で苦しむ人は増える一方だということです。